10月の薬草(No1-20)

お断り:掲載写真は専門家でないのでWEBの検索、あるいは手持ちの本で確認したもので完全を期したものではないことを
お断りします。もし間違っていたらご指摘下さい。

No 薬草名 薬効用い方 採取時期と調整法・成分
1 ノキシノブ(のきしのぶ、瓦韋、がい)
薬効・用い方:
瓦韋(がい)は、利尿薬として、むくみなどに、1回量2〜4gを適量の水で煎じて服用。 できもの、はれものなどには、瓦韋を細かく刻んで、ビンに入れ、ゴマ油を同量程度入れて、1〜2カ月保存し患部に塗布。

名前の由来は古民家などの軒下にも、繁殖するという意味からノキシノブと呼ばれた。民家の軒下だけではなく、樹の上や岩の上にも着生するシダ植物です。中国ではノキシノブのことを七星草(しちせいそう)、金星草(きんせいそう)、骨牌草(こつはいそう)などと呼ぶ。
採集と調整 :
必要な場合に採取して、陰干しにして乾燥させる。これを生薬(しょうやく)で、瓦韋(がい)という。
2 オナモミ(雄生揉、おなもみ、蒼耳子、そうじし)
薬効・用い方:
風邪の解熱、頭痛、リューマチ等には、蒼耳1日量6〜13gを煎じて3回に分け服用する。蒼耳子5〜10gを1日量として、水0.4リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして1日3回に分けて服用。歯やリューマチ、関節リューマチの痛み止めにも有効です。 蒼耳子(そうじし)には、わずかな毒性があるために、人によっては頭痛、めまいを起こすことがあるで、多用しないこと。また、妊婦は服用を避けるべきです。 かいせん、湿疹、虫刺されには新鮮な葉をよくもんで、その汁を直接患部に塗布します。
生食:動脈硬化予防に果実を炒って食べる。入浴剤:あせも、皮膚炎に乾燥した葉を浴槽に入れる。
内服:慢性胃炎には粉末にした果実1〜3gをお湯を注いで服用。
蒼耳油(そうじゆ)は動脈硬化の予防にも役にたつ。
採集と調整 :
夏の開花期に全草を採り、土を落として天日で乾燥させたものを、蒼耳(そうじ)という。成熟した果実を9〜10月頃に摘み取って、天日で乾燥させる。これを生薬で、蒼耳子(そうじし)という。

成分:
種子の油には、リノール酸が60%〜65%含まれる。蒼耳(そうじ)にはタンニンなどを含む。

オナモミの名の由来は雄生揉(おなもみ)で毒蛇に噛まれたときなどに、生の葉をもんで傷口につけると痛みが和らぐことから由来します。
3 スイバ(すいば、酸模、さんも)
薬効・用い方:
酸模(さんも)は、収斂、利尿、緩下の効き目があり、便秘、胃内出血、小便の出にくい場合や尿砂などをとる場合に用いられる。 1日量10〜12gを0.5リットルの水で半量に煎じて、1日3回に分けて服用。外用には生の根茎をおろし器ですりおろして患部に塗布します。これは抗菌作用があり、たむしなどの寄生性皮膚病やかいせんなどに良く効きますが、皮膚の弱い人やアレルギー症の人の場合には、かぶれる場合がありますので注意が必要。煎じた液を外傷の患部に塗布します。
茶材:天日乾燥した、花穂(かすい)、全草を細かく刻んで、熱湯を入れてお茶のように飲用します。これは、健胃、整腸、抗がん作用がある。スイバは、柔らかい芽を採取して、熱湯に塩を少し入れてゆでで、水にさらしてアク抜きをしてから、味噌・酢・みりんであえて、おひたし、あえもの、煮びたしや塩をふって即席漬けにもよくあいます。 スイバには、多量のシュウ酸を含むので、多食すると肝臓に障害を起こす場合があるので注意が必要です。 なお、スイバは、近年の薬理実験による研究により制がん効果が知られる。
採集と調整 :
春の開花期に地下の根茎を掘り取り、水洗いし日干しにし乾燥する。
これを生薬で酸模(さんも)といいます。 春に花穂(かすい)、全草を天日で乾燥。

成分:蓚酸
4 ススキ
薬効・用い方:
利尿・解毒・風邪・高血圧などに根茎の乾燥を刻んで10〜20gを、水0.5リットルで煎じて、1日3回に分けて服用します。
採集と調整 :
晩秋に根茎ごと採取して、水洗いして日干しにして乾燥させます。

成分:イネ科の植物には、フラボン類などを含有。
5 カキ(かき、柿蔕、してい)
薬効・用い方:
カキの特色のある薬効は蔕(へた)をしゃっくり止めに用いる。 しゃっくりは、横隔膜や呼吸補助筋肉のけいれん性の収縮によって、声門が急に開かれて音のでる現象です。しゃっくりは、ほとんど無害であり、多くの場合には自然に消滅するものですが、ときは長く続くしゃっくりに苦しむことがあ。しゃっくりに、カキのへたを煎じて飲むことは古くから知られています。 柿蔕を5〜10g(10個くらい)を刻み、水0.3リットルを加えて煎じて、約半量まで煮詰めて、煎じ汁を発作時に温めて服用します。すこし、飲みにくいので、ひねしょうがを少量加えるとよい。効き目がよく、げっぷも止めることができます。 果実の皮をむき、干しガキにしたものを柿餅(しべい)、根を柿根(しこん)といい、止血の目的で吐血、下血に用います。 柿餅の表面に出てくる、白い粉末状のものは甘く、これを集めたものを柿霜(しそう)といい、これを加熱して、あめのようにしたものを柿霜餅(しそうべい)といい、のどの痛み、咳止めに用いる。 柿の葉茶は、1日量10g程度と水を、沸騰したら約3分煮出して飲用します。また、お茶のように、急須で柿の葉、大さじ1杯に熱湯を注ぎ2〜3分して飲用。2〜3煎まで飲めます。 各種の内出血の止血作用があり、消化器官の潰瘍による出血や、咽の炎症、柿渋と同様に血圧降下にも効き目がある。 また、柿渋は、止血・やけどやしもやけ・かぶれに患部に塗布します。 種子を黒焼きしたものを乳房に塗ると乳房の腫れがひくとされています。
柿の葉酒:柿の葉を使用して、柿の葉酒を造ります。柿の若葉200グラムとホワイトリカー1.8リットルを漬けこんで、3カ月程度おいてから飲用します。脳卒中予防、かぜ予防、かっけ、滋養強壮、鎮痛、皮膚の健康によい。
採集と調整 :
薬用にする柿のへたは、秋に柿を食べたあとに集めて、そのまま日干しにして乾燥させる。これを生薬の柿蔕(してい)という。柿渋(かきしぶ)は、できるだけ渋味の強いカキの品種を選ぶ。まず、未熟なカキを採って、へたを取り去り、すり鉢に入れて砕き、水を加えて良くかき混ぜる。 それをビンにいれて約1カ月間ほど発酵させる。かすが分離してくるので、かすを取り除き、得られた褐色の液体を柿渋です。柿渋は特異な臭いがするが、血管の透過性を高めて高血圧を防止することが知られる。さかずき1杯と牛乳と1日3回食間に服用します。 柿の葉(かきのは)の、柿の葉は6月ころの若葉を採取して、葉の芯を切り取り、蒸気(せいろなどを使用する)で2〜3分蒸します。その後、日陰で陰干しして乾燥させてから細かく刻みます。
6 ジャガイモ
薬効・用い方:
ジャガイモの芽、茎、葉、果実、緑色のイモには、アルカロイドのソラニンという有毒部分が含まれていて、誤って食べると中毒を起こして胃腸障害などを引き起こすので、ジャガイモの芽は取り去って食べる必要がある。 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療、予防には、ジャガイモを摩り下ろして、コップ半量程度の生汁を一日3回服用する。 高血圧、胃炎、腎臓病などには、ジャガイモ数個を薄く切り、水で半量まで煮込んだスープを作って飲用するという。 軽い火傷、とびひ、湿疹、かぶれなど皮膚病には、ジャガイモの表皮をむいて摩り下ろして、患部に塗布して乾いたら取り替えるという。 打ち身、捻挫には、ジャガイモを摩り下ろし、小麦粉、酢を加えて練って、患部に塗布する。 食用として、ジャガイモはアルカリ性なので毎日食べることにより、動物性タンパクの抑制効果があるので、尿酸を抑制して痛風の予防になる。
採集と調整 :

名の由来は、慶長3年(1598)に、ジャカトラ(現在のジャカルタ)から、オランダ船により、日本の長崎に伝わったといわれ、ジャカトラから、ジャガタライモ(古名)になり転訛して、ジャガイモになったという。 また、馬鈴薯(ばれいしょ)とは、ジャガイモの形が、馬につけられている装飾具に似ていることからついた名だという。

成分:アルカロイドのソラニン。
7 シュクシャ(縮砂、しゅくしゃ)
薬効・用い方:
縮砂はショウガ科(Zingiberaceae)の Amomum xanthioides Wallich の種子の塊です。日本にも伊豆縮砂と言うものがあるが、ハナミョウガ及びアオノクマタケランの種子で、漢方では使用しません。漢方では、縮砂には健胃、鎮痛の効があるので、胃炎、胃潰瘍、食欲不振、消化不良、腹痛、下痢、精神神経障害などに応用しています。薬理作用としては制酸作用、利胆作用、筋弛緩作用、プロスタグランジン生合成阻害作用が報告されている。また、縮砂の含有される漢方処方には安中散、香砂六君子湯、香砂平胃散、香砂養胃湯、喘四君子湯、参苓白朮散、響声破笛丸などがある。縮砂は多角形の顆粒状で、噛むと樟脳様の匂いがあり、味は辛いです。新鮮で匂いの強いものが良品です。市場品としてはタイ産(ラオス)、ベトナム産が主です。
採集と調整 :

成分:精油成分が主に知られています。  
8 ホシアサガオ(星朝顔)
薬効・用い方:
薬効記載なし。

北アメリカ原産で,帰化植物である。茎は細長く,数メートルの長さにのび,葉は卵円形で先は尖り,基部は心形 である。しかし異変が多く葉が3裂するものもある。花は葉のわきから径約1〜2センチの淡紅色の花をつける。 また,花の中心部は紅紫色を帯びるものが多い。花柄にはイボ状の突起がまばらにある。
採集と調整 :
2008.10.25の朝、大洲市東大洲で撮影しました。
花径、花房とも2cmの小さい花です。葉は6cmx4cmです。
ホシアサガオとベニバナマメアサガオの違いは雄しべの葯の色を見るとわかる。 ホシアサガオの葯は白で、マメアサガオとベニバナマメアサガオの葯は赤紫色をしている。
9 コウリャン(高粱、こうりゃん、高きび)
薬効・用い方:
薬効記載なし。

国内産増加に期待したい作物、ひき肉のような弾力とコク、もろこしとも呼ばれます。アフリカやインド、中国では今でも広くたべられていて、中国名はコウリャン。背の高いものから低いもの、色も多様です。日本で食用にされているのはもち種の赤高きび。福島県の梁川町では町ぐるみで安全な高きび生産に取り組んでいるとのことです。その他、岩手、長野、岐阜、岡山でも栽培されています。 食味 高きび、はと麦はほかの雑穀と比べると大きめの実で硬いので、圧力釜で炊く、水に浸けてから炊くなど工夫が必要です。炊き上がりはひき肉のような弾力とコクがあるので、この食感が生かされるとおいしくいただけます。
採集と調整 :
10 ゼラニウム
薬効・用い方:
ゼラニウム(ゼラニューム)とは、アフリカ原産の別名アオイと呼ばれる、ガーデニングの定番ハーブ。 バラの香りとほのかにかんきつ系の香りがあわさったような香りが特徴のハーブ。 枝、茎、葉、花から抽出されたオイルは、化粧品としても、またアロマテラピーでも使われているが、混合物によってすぐ品質が低下するので購入の際は注意が必要である。
効果・効能: ストレスの緩和、生理痛・生理不順、経前の緊張やイライラの改善、ホルモンのバランスを整える、血液循環を改良、冷え・むくみの改善など。
採集と調整 :
料理:葉の浸出液もしくはきざんだ葉(葉は後で取り除く)は、砂糖、シロップ、バター、シャーベット、ソース類等の風味付けに

美容・コスメ:オイルを基礎化粧品に加えることで、肌の脂肪分の分泌を調整するのに効果的 浸出液は顔の血色をよくしてくれる。
11 センダン(せんだん、苦楝子、くれんし、苦楝皮、くれんぴ、川楝子、せんれんし)
薬効・用い方:
見分け方・特徴:センダンは、暖地の海岸に野生する落葉性の高木で、各地で栽培されています。 樹高が20メートルにもなり、枝は水平に広がる性質がある。枝から出る葉は互生で大型で2〜3回の羽状複葉で、細かく裂けています。葉柄は長く基部がふくらんでいる。花は、初夏に茎頂に円錐花序をつけ、淡紫色か白色の小花を多数つける。花は、がく片5枚、花弁5枚、雄しべ10本、花糸は筒状につく。 果実は淡黄色の球形の核果になる。 センダンに良く似た植物で、トウセンダンがある。日本でも温暖な地域で栽培されていますが、果実が楕円形で甘く、葉には、センダンのようにギザギザがない。

薬効・用い方: 苦楝子は整腸、鎮痛薬として腹痛や疝痛には、10gを適量の水で煎じて服用。 陰のう水腫、副睾丸炎、小腸ヘルニアなどによる局部の疼痛(とうつう)、へそ部の放散痛には呉茱萸(ごしゅゆ)や小茴香(しょうういきょう)などの去寒薬を配合する。民間では、ひび、あかぎれ、しもやけに黄熟した生の果実の果肉の部分をすりつぶして、患部に塗布。 苦楝皮は、虫下し、条虫駆除に6〜10gを煎じて、1日2回朝夕の空腹時に服用するが、大量に用いると顔面が紅潮し眠気をもようしたりする副作用があるので注意が必要です。 トウセンダンの果実を乾燥した川楝子(せんれんし)は、整腸、鎮痛薬に用いる。実は2006年10月に、花は2007年5月に愛媛県大洲市東大洲で撮影しました。
採集と調整 :
センダンの果実を秋に黄熟したものを採取して、果肉の部分を生のまま用いるか、天日で乾燥。 これを生薬で苦楝子という。別にトウセンダンの果実を乾燥したものを、生薬で川楝子という センダンの幹皮を細かく刻んで、天日で乾燥したものを、生薬で苦楝皮という。 苦楝皮は扁平な皮片で厚さが3〜8mm、外面にはコルク層があり、苦い味がする。

成分:苦楝子は脂肪酸、タンニン、苦味質マルゴシン、ブドウ糖などを含有。苦楝皮は、タンニン、苦味質マルゴシン、アスカロールなどを含有
12 ヒロハフウリンホオズキ(広葉風鈴酸漿、センナリホオズキ)
薬効・用い方:
ホウズキよりかなり小さく直径2-3cm です。草丈 30cmくらい。
和名はヒロハフウリンホオズキ、 別名はセンナリホオズキという。
花期 8−9月、生育地:休耕田、畑地 、畑地の雑草。 熱帯アメリカ原産の帰化植物です。花は淡黄色ですが基部が淡紫色になります。果実はやや小形ですがホオズキと同じように袋状のガクに包まれています。食用や薬用になるとのことだが薬効は未調査(不明)。酷似したものにセンナリホオズキがあるがこちらは花の基部が濃紫色になっています。
採集と調整 :
13 ムクノキ
薬効・用い方:
和名 ムクノキ。 民間療法:樹皮や根皮に、鎮痛効果があり、腰部のねんざや疼痛に煎服する。
食用 甘い石果は食べられる。
昔、この丸い実に羽根をつけ、羽子板の羽根に利用された。
採集と調整:

成分:樹液はアンチアリンに似た有毒成分を含む。
14 セイタカアワダチソウ
薬効・用い方:
3m近くまで伸びる北アメリカ原産の帰化植物。空き地や荒れ地、休耕田などに急速に侵入した。アレロパシー(他感作用)といって、他の植物の成長を阻害する物質を分泌する。種子だけでなく長い地下茎を伸ばし、その先に根出葉を広げ越冬し仲間を増やす。種子は花粉症を引き起こすと言われていたが、風媒花ではないため、今では無関係と言われている。
採集と調整 :
15 ニンジン
薬効・用い方:
ニンジンは、アフガニスタン原産で、西洋種と東洋種の2種類にわけられます。 日本では、金時ニンジンのように濃い赤色で長さのある東洋種のニンジンが主流でしたが、戦後はオレンジ色で甘味が強い西洋種が主流になっている。

効能:高血圧予防、動脈硬化予防、整腸作用、疲労回復、美肌効果、低血圧改善、視力回復 貧血改善、風邪予防、がん予防
採集と調整 :
成分:ニンジンは体内でビタミンAに変わるカロテンを豊富に含んでいます。 また、カルシウムや食物繊維も豊富に含まれる野菜です。
16 サトイモ
薬効・用い方:
原産地は東南アジア地方で、歴史は古く日本へは縄文時代に渡来し、山ではなく里で採れるのでさといもという名になったといわれる。
効能  主成分はデンプンで、カロリーが低く食物繊維が豊富なのでダイエット食品としても最適です。ぬめりにはムチン、ガラクタンという成分が含まれており、ムチンは胃腸の内壁を保護、消化を促進して便秘解消にも効果があり、ガラクタンには免疫を高めてガンを予防する効果があるといわれる。高血圧予防と疲労回復に役立つカリウムも多く含まれています。
採集と調整 :
成分:主成分はデンプンで、カロリーが低く食物繊維が豊富。ムチン、ガラクタン、カリウム。
17 カナムグラ(かなむぐら、鉄葎、金葎、葎草、りつそう)

薬効・用い方:
カナムグラの「カナ」は鉄、「ムグラ」は生い茂る意味です。鉄のように丈夫な茎がはびこっている植物だということになります。茎は丈夫で、たくさんの細かいとげがある。
他の植物にからみついて一面に広く繁殖します。そのため、他の植物を枯らしてしまうこともあります。雄株と雌株があり、別株です。
薬効・用い方 葎草(りつそう)は、健胃、利尿、解熱薬として1日10〜15gに0.4リットルの水で煎じて、約2分の1量まで煮つめたものを1日3回服用。はれものの解熱には、ひと握りのカナムグラをアルミ箔で包んでフライパンで焼いて、黒焼きにしたものを食酢で練って患部に塗布します。 また、たむしには、乾燥したカナムグラの葉を粉末にして酢で練ったものか、生の葉をすり潰した汁を塗布。
採集と調整 :
葉、茎、果実ともに薬用に用いる。夏〜秋に地上部を刈りとり、天日で乾燥させます。 これを生薬で、葎草(りつそう)といいます。
18 タニウツギ(たにうつぎ、谷空木)
薬効・用い方:
スイカズラ科の落葉低木。本州と北海道の日本海側山地に生える。高さ2〜3メートルで枝は淡褐色。長卵形の葉は短い柄で対生し、質はややざらつき、裏面には白毛が密生。初夏に葉腋に紅色でラッパ形の花を数個ずつつける。

薬効:利尿効果
採集と調整 :
19 ハナミズキ
薬効・用い方:
薬効は不明。
街路樹のハナミズキ(花水木)が紅葉し、真っ赤な実がとっても綺麗です。ハナミズキは、花の色も白からピンク、赤に近いものまで様々あり、花弁と思われているものは総苞片で、本当の花は中央に固まっています。 1909年から数年にわたって、東京市長の尾崎行雄がアメリカのワシントンにソメイヨシノの 苗木を贈りました。その返礼として1915年に東京市に贈られたのがハナミズキで、日米親善の木として有名になりました。日本に元々あったのはヤマボウシ(山法師)で、ハナミズキに似ていますが、艶やかさはあまりありません。
採集と調整 :
20 シロウリ
薬効・用い方:
シロウリは各種のメロンやマクワ(甜瓜)などの果物の仲間ですが、果実に砂糖を蓄積しないので、菜瓜、越瓜、白瓜、青瓜などと呼ばれ、野菜として味付けをして利用します。淡白な持ち味を生かした漬物類では、塩漬け、糖漬け、粕漬け、奈良漬け、酢漬け、砂糖漬けなど多様ですが、なかでも糖床の一夜漬けはさっぱり味で高級割烹の夏の漬物の代表です。和風料理では夏の椀だねにも向いています。アジア南部・西部ではカレーに煮込んだり、スープに入れますし、果肉をカンピョウのように薄くスライスして干し、貯蔵利用もしています。旬は夏とされ、出回りは5〜10月です。   シロウリの効用としては、スイカと同様に古くから、利尿促進、急性腎炎、尿道結石、脚気、子宮病、アセモ(生汁)によいとの記載があります。
採集と調整 :