11月の薬草(No1-20)

お断り:掲載写真は専門家でないのでWEBの検索、あるいは手持ちの本で確認したもので完全を期したものではないことを
お断りします。もし間違っていたらご指摘下さい。

No 薬草名 薬効用い方 採取時期と調整法・成分
1 キツネノマゴ(きつねのまご)
薬効・用い方:
薬効に関する記載情報はない。
野原や路傍、荒地などで普通に見られ、8月〜11月の夏から秋にかけて、唇のような形をした本当に小さな桃色から白色の花(花径:2mm〜5mm)を咲かせます。草丈10〜40cmの1年草。
キツネノマゴ科・キツネノマゴ属で、キツネノマゴ属(Justicia L.)は、熱帯から温帯に約300種が分布しますが、日本では本種のみが自生し、1属1種の花です。 名前の由来は諸説があり不明ですが、花冠を狐の顔、花穂を狐の尻尾に見立て、小さいので孫をあてたという説や、花が子狐の顔に似ているからという説もある。南西諸島には本種より小さい「狐の曾孫(キツネノヒマゴ)」という種があるそうです。中国では清の時代に、乾燥後に煎じた汁で洗眼し、目薬として使われていたそうですが、長崎県の方言で本種を「目薬花(メグスリバナ)」と言うのも、この目薬としての利用る。
採集と調整 :
2 トレニア(とれにあ)
薬効・用い方:
薬効に関する記載情報はない。
炎天下の中でも元気に花を咲かせるトレニアには毎年花を咲かせるものと一年で枯れてしまうものがある。日本では一年草タイプのものが多く栽培される。別名は「ナツスミレ(夏菫)」「ハナウリクサ(花瓜草)」「ツルウリグサ(蔓瓜草)」という。花つきもよく自然に枝分かれをして増えていく。プランターや鉢植えにしてあるのもよく見る。夏から秋にかけて咲く花の色は、青、紫、赤、ピンク、など色々ある。 草丈はさほど高くならず草丈15cm、花丈3cmくらいで自然に枝分かれしてまとまった株になる。最近では茎が立ち上がらずにはうように横に伸びていく”サマーウェーブ”という品種にも人気がある。  花の色は白やピンク紫などが複数色はいるカラフルなものが多く、夏に涼しさを与える。花の形がスミレに似ているところから「夏スミレ」の別名がある。
採集と調整 :
3 フユイチゴ(ふゆいちご)
薬効・用い方:
薬効に関する記載情報はない。
長い匍匐枝を伸ばし、高さ20〜30cmほどの直立枝を出す。葉は浅く5裂した円状の5角形で、裏面には軟毛が密生。葉腋から秋初め頃に短い花枝を出し、白い花を着けます。そして、径1cmほどの球形のキイチゴ状の集合果ができます。秋から冬になって果実は赤く熟し、食用になる。冬に熟するのでフユイチゴの名が付いています。ブラックベリーの仲間ですが、本種は日本の林縁などに広く自生します。
採集と調整 :
4 アキノキリンソウ(あきのきりんそう)
薬効・用い方:
秋を代表する山野草。野山に細長く黄色の可憐な花を咲かせる多年草で、開花の時期は長い。黄色の小さな花が穂のように咲き『麒麟(きりん)草』と称されるように伝説のキリンの姿を連想させる山野草です。草丈は40〜80センチくらい。中国ではこれによく似たミヤマアキノキリンソウを「一枝黄花」と呼び、薬草にするが、日本ではアキノキリンソウを用いる。
薬用には、花の時期に地上部を採り、水洗いして日干しし、煎じてカゼの頭痛やのどのはれの痛み、はれものの解毒に利用される。
食用の場合は、若苗の葉を揚げ物にしたり、塩ゆでして水でさらし、おひたしやごまあえなどになる。  
採集と調整 :
栽培は日の当たる場所で風通しを十分にし、培養土は礫(れき)を主体に、やや乾燥気味で育てる。  別名をアワダチソウといい、北米原産で戦後日本に入ってきたセイタカアワダチソウも同じ種に属すが、「セイタカアワダチソウ」はアクが強く食用にならない。
5 ハコベ(はこべ、繁縷、はんろう)
薬効・用い方:
昔から血の道として婦人の産前産後に用いられる。産後の浄血、催乳、肝臓病のむくみに、繁縷(はんろう)を、10gと水0.4リットルを煎じて服用。 産後の浄血薬として、また乳汁の分泌のないときに茎葉を煮たり、あるいはひたし物として食べたり、乾燥した全草を煎服したりすると乳の出がよくなる。 またハコベを常用していると脚気にも効き目がある。 歯ぐきの出血、歯槽膿漏の予防にはミキサー、ジューサーなどで青汁をとり、油気のないフライパンで食塩を適量加えて、よく乾燥させ緑のハコベ塩を作り、これを指先につけて歯をみがく。
塗布:新鮮な葉を摘んで、よくもんで柔らかくしたものを貼る。はれもの、歯痛に。若苗を摘み、ゆででおひたし、あえもの、汁の実。生のまま天ぷら。また熱湯を通して、塩をふり漬け物にします。
その他:ハコベには、ハコベラ、ハクベ、ハッカソウ、ベニソル、ビズル、アサシラゲ、ヲシズリ、ネコノミミなど多くの別名があります。 春の七草のひとつで、日本の各地の山野、路傍、垣根などのいたるところに普通に見られる。日本では、古くからハコベ塩を歯磨きして用いていました。 古書の「和漢三才図会(1713)」には、「生のハコベをしぼってとった青汁を塩とともにアワビの貝殻に入れて焼き、乾けばまた青汁を加えるということ七度におよぶ」という記述がある。名前の由来は、本草和名(ほんぞうわみょう)には、波久倍良(はくべら)の名が記述されていて、転訛して、ハコベと名がついたという。 また、帛(はく・絹布の意味)とは、茎から出る白糸(導管)をあてて、ベラは群がるという意味があるという。
採集と調整 :
見分け方・特徴:ハコベの根は白色で髭状、茎は束生して白緑色をしている。下の方は横にはって上部は斜上している。茎の中には白い堅い筋(維管束)がある。葉は対生で無柄(下部では有柄)、形は卵円形で先は尖っている。長さ1〜2cm、色は濃緑色で無毛、葉縁は全縁、質は柔らかです。 花は枝先に集散花序をつけ、色は白で、朝、日光をうけるとさかんに開く。花柄は有毛、花弁は5で2深裂し、がくより少し短くなっている。がく片は5で楕円形長さ3〜4mmです。雄しべ10、子房は卵形で、その頂に花柱が3本つく。果実は卵形で4〜6mm、種子は茎1〜1.2mmの円形で半球状の低突起がある。ハコベは2年草で、春から夏にかけて盛んに繁殖する。暖かい日溜りでは、冬でも花をつけることもある。全体が小さく、茎が少し紫褐色を帯びているものがコハコベで、大型で主に薬用、食用にするのがミドリハコベで、雄しべが1〜7本ある多年草です。 ウシハコベは全草大型で、花は5裂して茎には赤みがある。
採集と調整:ハコベはほとんど1年中生育しているので、必要なときに全草を採取する。ハコベの全草を天日で乾燥したものを、生薬で繁縷(はんろう)といいます。
6 ミツデウラボシ(みつでうらぼし、鷲掌金星草、がしょうきんせいそう)

薬効・用い方:
利尿・解熱・解毒に1日量8〜209を水o一 薬効と用い方 tで1一3量に煎じ、3回に分けて服用する。
北海道、本州、四国、九州、沖縄に自生、関東南部より以西に多く見られる。
ミツデウラボシは葉が3裂したものばかりならば、ミツデの名に合致するが、ヒトツバタイプで、葉が1枚のも のや、2裂しているものがあるので注意すること。葉質はヒトツバのような厚みはなく、薄い。表面は緑色であるが、裏面は白みを帯び、支脈がはっきり見える。胞子嚢の集まりを一般に胞子嚢群と呼ぶが、これが円形で、葉裏の中央に走る脈の両側にある支脈と支脈の間に、一つずつはさまれるように並んでいる。ウラ ボシ(裏星)の名はこれに由来する。
本草書の混乱:江戸時代の本草書の中で、ミツデウラボシを正確に伝えているものは少ない。「大和本草」(1708年)や「和漢三才図会」(1713年)は、金星草の解説の中でミツデウラボシなるものがあるがこれは金鶏脚であるとしている。現在は鷲掌金星草の漢名を用いている。
霊草に:中国ではミツデウラボシとユキノシタの全草を乾燥したものを等量煎じて、小児の驚風(ひきつけ)に用いる。わが国では古くは、日蓮宗の信者が霊草として薬用に用いたと言われる。
愛媛県大洲市西大洲からの愛媛県喜多郡長浜町、出石寺へ抜ける山道(道右側)で見つけました。草丈が12cm、葉長10cmでした(2006.11.03撮影)。
採集と調整 :
秋に全草をとり、水洗い後、日干しにする。

成分:クマリンを含み、この配糖体ポリポジンも含まれる。
7 コウヤボウキ(こうやぼうき、高野箒)
薬効・用い方:
薬効に関する記載情報はない。
昔、和歌山県の高野山には竹、梨、胡桃、桃などの竹木がありませんでした。利潤を得る行為を戒めるという意味で、商品作物の栽培が禁じられていた。それで竹箒が作れず、代わりにこの木の枝を束ねて箒を作ったことから「高野箒」の名が付いたといわれる(週刊朝日百科「世界の植物(2)」より)。草のように見えるが小低木です。山地の日当たりの良いところでよく見られる。京都伏見の酒倉では、酒桶についた「にごり」の泡をふきとるのにコウヤボウキを使うそうです。ふたつかみほどのコウヤボウキの枝に、竹の小枝を2、3本入れて束ね、先を少し切って50cmほどの箒にすると、弾力が適度で、箒についた泡を払えばすぐとれるの便利だとのことです。古くは、コウヤボウキの枝を束ねて、玉で飾った箒を「玉箒(たまぼうき)」といった。正倉院御物の「子日目利箒(ねのひのめとぎほうき)」がこれにあたる。
愛媛県大洲市西大洲からの愛媛県喜多郡長浜町、出石寺へ抜ける山道(道左側)で見つけました。草丈が110cmでした(2006.11.03撮影)。
採集と調整 :
8 フウセントウワタ(ふうせんとうわた、風船唐綿)
薬効・用い方:
薬効に関する記載情報はない。
フウセントウワタ(風船唐綿)は、夏にフクシャに似た形をした白い小花を咲かせ、秋に表面に剛毛を持ち風船のように膨れた果実を付ける亜低木です。葉は緑色で細長く対生して付き、果実ははじけると白い綿毛の付いた種子が出ます。形が面白いので、切花や生け花等に使われる。  
一般名:フウセントウワタ(風船唐綿) 。
別名:フウセンダマノキ(風船玉の木)
科属名:ガガイモ科フウセントウワタ属。
原産地:南アフリカ。
樹高:1〜2m。
花色:白
果実色:緑 
葉身:10cm 
開花期:8〜9月
結実期:9〜10月
愛媛県大洲市西大洲からの愛媛県喜多郡長浜町、出石寺へ抜ける山の中の畑に生えていた(道左側)で見つけました。毛が生えた大きなホオズキみたいなものです。130cm位で、ホオズキが9cmx5cm位でした (2006.11.03撮影)。
採集と調整 :
9 キランソウ(きらんそう、筋骨草、きんこつそう)
薬効・用い方:
鎮咳、去淡、解熱、健胃、下痢止めに、1日量10〜15gに水0.5リットルを加えて、煎じながら約1/3まで煮詰めて、こしたものを、1日3回に分けて服用。山野を歩いている時などに、虫にさされた場合には、茎葉をもみつぶして患部に塗るとよく、化膿した切り傷や腫れ物などに、つけると「ウミ」を出す作用がある。うるしかぶれや草負けの場合には、煎じた液で患部を洗浄します。 キランソウは、民間薬でありながら昔から知られていて、漢方薬の薬局でもキランソウの名で乾燥葉を販売している。 その他:植物にはいろんな変わった名前がつけられていますが、キランソウには「ジゴクノカマノフタ」あるいは単に「カマノフタ」の別名があります。語源は定かでないが春の彼岸の地獄の釜が開く頃に花が咲くからという説と、茎葉が地面を這って密におおい、地面に蓋をしているように見えるからという説がある。愛媛県大洲市西大洲からの愛媛県喜多郡長浜町、出石寺へ抜ける山道に生えていた(道右側)で見つけました。草丈10cm位でタンポポの草丈位の高さです(2006.11.03撮影)。
採集と調整 :
分布生育場所:本州、四国、九州の日当たりのよい山麓や道端、石垣、人里など、いたるところに生える多年草。
見分け方・特徴:冬期にも葉をつけ根出葉はロゼット状で、茎は地上で四方にはってのび、全体に細毛がある。根生葉はロゼット状で少し赤みをおびた状態で、長さ44〜6cm、巾1〜2cmです。茎葉は対生、形は長楕円形の倒披針形。葉縁は波状、葉の裏側は紫色。 陽春になると数本の茎をのばして節ごとに、濃紫色の唇形の花を数個ずつつける。花は葉腋に数個つく。色は濃い紫色、形は唇形、花冠の大きさ約1cmです。 下唇は3裂して大きく開き、上唇は短くて、2裂になる。がくは5深裂し、毛がある。雄しべ4本のうち2本は長い。春咲きの野草としては、最も早い時期に花が咲く種類に属す。 果実は卵球状の4分果、長さ約1.7mmで、隆起する網目状の模様がある。
採集と調整:開花期の4月ごろ、全草を採取し、水洗いした後、日干しにしてよく乾燥させます。 キランソウの生薬名は、筋骨草(きんこつそう)といいます。
10 ムサシアブミ(むさしあぶみ)
薬効・用い方:
鎮痙、去痰に漢方処方、腫れ物、肩こり、リュウマチに外用、有毒
サトイモ科、
利用部位:塊茎(テンナンショウ:天南星)原産地:本州中国地方、四国、九州
花期:3〜5月
花径:仏炎苞の高さ10cmほど
花色:暗紫色(または白緑色で一部暗紫色) 、花の後に写真のような実がなる。
草丈:50cmに達することもある
茎葉:2個。小葉は3枚で小葉柄はなく菱状広卵形で急尖頭、全縁。 先端は伸びて糸状になることが多い。 多年草。
生育場所:海岸や谷沿いのなどの湿った林内。テンナンショウの仲間にあって、一目で名前がわかる独特の仏炎苞を咲かせます。縦に白条がたくさんあり、口辺部は張り出して耳状です。舷部は袋状に巻き込み、その先端は前に突き出している。仏炎苞は車のシフトノブに似ている。名前の由来は、仏炎苞の形が昔武蔵国で作った鐙(あぶみ)の形に似ているためです。
大きな3枚葉の草です。
愛媛県大洲市西大洲からの愛媛県喜多郡長浜町、出石寺へ抜ける山道に生えていた(道右側)で見つけました。草丈40cm, 3つ葉の長さがそれぞれ30cmもありました(2006.11.03撮影)。
採集と調整 :
11 ミモザ(みもざ)
薬効・用い方:
学名: Acacia dealbata
科名: ネムノキ科
原産地・分布・生産地域:原産はオーストラリア。 北・中央アフリカに帰化植物として自生。 19世紀初頭、観賞用にヨーロッパに持ち込まれ、それ以降、野生化しています。 精油の生産は主に南フランスやイタリアで行われます。
精油の色:琥珀色をしています。粘質。

薬効:消毒、収斂作用。 神経性の緊張、神経過敏、ストレス、一般のスキンケア。
愛媛県大洲市東大洲の民家の庭で撮影(2006.11.03撮影) 。
採集と調整 :
抽出部分: 花と小枝
抽出方法: 溶剤抽出

主要成分:炭化水素、パルミチン酸、エナント酸、アニス酸、酢酸、フェノールなど。
12 トクサ(とくさ、木賊、もくぞく)
薬効・用い方:
木賊は腸出血・痔出血、淋疾や水腫に1日量15〜20gムを水0.4リットルで約1/2量に煎じて3回に分けて服用。 また、この煎じ汁は下痢止めにも用いる。かぜの解熱には1回量2〜6gを水0.3リットルで1/2量に煎じて服用。また、トクサの茎葉(けいよう)を黒焼きにして、その粉を痔の脱肛にしぼり入れると効き目があるとされる。 その他 日本の古書の「和漢三才図会(1713年)」には、「物を磋(みがく)こと砥(といし)の如し、ゆえに砥草(とくさ)と称す」という記述がある。 トクサの名前の由来はトクサの茎は、表面に珪酸(けいさん)を含んでいるために、ざらつきがあり、非常に堅くなっていて、細工物などを、砥(と)ぐ草という意味から、研ぐ草(とぐくさ)が転訛してトクサの名前がついたとされる。トクサは、シダ植物の一種で、寒い地方の水分の多い場所に多く見られます。深緑色で、枝分かれせず、高さが1メートルくらいにもなり、古くから庭の陰湿地の植え込みなどに利用される。
愛媛県大洲市上須戒の民家の庭で見ました(2006.11.04撮影) 。
採集と調整 :
分布生育場所:本州中部以北、北海道の寒地のやや日当たりのよい渓流沿い、土手、原野などの湿地に好んで群生。
見分け方・特徴:トクサは、山地の林下や渓流ぞいや土手などの湿地に群生していて、スギナの仲間ですが、茎はスギナのように分岐しないで管状に伸びて高さが1mにも達することがある。その管状の節々には退化した葉が葉鞘(ようしょう)として残っていて、その葉鞘(ようしょう)も脱落性で節だけが残ります。 茎の頂に楕円形の短い胞子穂(ほうしすい)をつける。トクサの仲間には、ミズドクサ、スギナ、イヌスギナ、ヤチスギナ、イヌドクサ、などの数種類がある。イヌドクサは、各地の海岸や川原の砂地に多く自生するが、茎は直径3〜5mmで、トクサより少し細く節部から細枝を出していて柔らかになっている。
採集と調整:トクサは、春の4月ごろか、8〜9月ごろ地上部を刈りとり、よく水洗いしてさっと熱湯に浸してから、日干しにして乾燥させます。 これを、生薬の木賊(もくぞく)という。
13 サルトリイバラ(さるとりいばら、山帰来、さんきらい)

薬効・用い方:できものやはれものには、乾燥した根茎10〜15gを1日量として、水0.2リットルを加えて煎じ、約半量まで煮詰めて空腹時に3回に分けて服用する。 ニキビには根茎10gとドクダミ15g、ハブ茶(エビスグサ)20gを混ぜて水0.5リットルを約半量まで煎じて、茶を飲むように1日数回に分けて服用。しばらく、飲用を続けると効果があると。 また、葉の場合は、柔らかいものはそのまま乾燥させて、堅いものは蒸してから乾燥させる。約10gを0.3リットルの水で煎じ、約半量まで煮詰めたものを1日量として食前か食間に3回に分けて服用。 むくみのときの利尿には、前記と同量を1日3回空腹時に服用。 中国では、胃がん、食道ガン、直腸がん、乳腺がん、子宮がん、鼻咽がんの治療に用いられ、根茎を水洗いして薄切りにして、日干しにします。毎日この乾燥片250〜500gを3〜3.5リットルの水に約1時間浸してから、弱火で約3時間煎じ、かすをとり除き豚の脂肉30〜60gを加えてさらに約1時間煎じて0.5リットル程度まで煮詰たものを、1日数回に分けて服用します。 そのほか、咽頭がんには、ウツボグサ(夏枯草・カゴソウ)を加えて煎じます。
愛媛県大洲市西大洲から上須戒へ抜ける山道の中で見ました。蔓性でとげがあります。いくつか同じような草を見ましたが赤い実を付けているのはこれだけでした。一房に9個(各1.5cm)のサクランボのような実をつけてました。葉は10x8cmで表面は光沢がありました(2006.11.04撮影) 。
採集と調整 :
分布生育場所:日本全土の山野、平地。日本、朝鮮半島、中国の山野に広く分布。雌雄異株のつる性の落葉低木。
見分け方・特徴:根茎は不規則に分岐した塊状で、根はひげ状です。 茎には節があり、托葉(たくよう)の先がのびた巻ひげで、他のものにからみつきながら生長する。全体に、少し曲がった刺がまばらにあり、葉は柄が短く、円形から広楕円形で茎に互生します。 3〜5本の主脈が明らかで、表裏とも無毛で平滑です。 花は、4〜6月に、黄緑色の小型の花が傘状につく。稚葉は柔かですが、成葉は皮革質です。5〜6月ころに黄緑色の6弁花をつけます。 果実は類型の液果で秋から冬にかけて赤く熟し、種子は黄褐色。採集と調整:秋に根茎を掘り取って水洗いして、乾燥しやすくするために、細かく切ってから天日で乾燥させます。 これを生薬(しょうやく)で、和の山帰来(さんきらい)といい、中国産の土茯苓(どぶくりょう)の代用とする。生の柔らかい稚葉を必要な時に採取して、てんぷらにする。 赤く熟した果実は、生食してもよし、焼酎やホワイトリカーに漬けて薬用酒にもできる。
14 ブロッコリー(ぶろっこりー)
薬効・用い方:
免疫機能強化でガン予防や、風邪予防、美肌効果が考えられる。含有する葉酸には、貧血予防効果、イソチェアシアネートという配糖体辛味成分は、発ガンを抑制するという。
その他:日本に渡来したのは明治初期といわれ、健康野菜のブームにより品種改良をして、各地で栽培されるようになりました。 ブロッコリーの、一番美味しい季節は、11月頃〜翌年2月頃で、地場の味覚を味わうことができ、家庭菜園でも比較的容易に栽培ができる。 大洲市の畑で撮りました。高さは60cm,葉は50cmx20cmと葉っぱがかなり大きい(2006.11.06撮影)。
採集と調整 :
分布生育場所:日本全国で栽培、主産地は埼玉県、愛知県などで栽培して11月〜2月が旬。夏季には、アメリカ産、中国産が輸入される見分け方・特徴:ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属に分類されるキャベツの一種で、カリフラワーの改良品種。原産地は、地中海沿岸地域とされ、カロフラワーは、花蕾が密生して株全体が一個の塊状になりますが、ブロッコリーは、花蕾を収穫しても、次々と別の花茎が伸びて、花蕾ができるので、長期間の収穫ができる。

成分:ブロッコリーには、βカロチン、C、U、葉酸などのビタミン類や、カルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラル、植物繊維、イソチェアシアネートという配糖体辛味成分など多く含有します
15 カリフラワー(かりふらわー)
薬効・用い方:
効能、効果:がん、動脈硬化、高血圧の予防。 ビタミンCは、カリフラワーの茎に一番多く含まれているので、 捨てずに、調理したいものです。大洲市の畑で撮りました。高さは60cm,葉は45cmx20cmと葉っぱがかなり大きい。花の色はブロッコリーが青っぽく、カリフラワーは白っぽい(2006.11.06撮影)。
採集と調整 :
成分:
カリウム、 ビタミンB1、
ビタミンB2、 ビタミンC。
16 レタス(れたす)
薬効・用い方:網膜炎の予防。肌荒れ、疲れ目の改善。筋肉疲労の解消。 レタスに含まれるクエン酸は、乳酸の生成を抑制するので、筋肉疲労回復に効果がある。 生で食べることが多いが、加熱すると、固い芯までやらかくなり、食べられる。 採集と調整 :
成分: カリウム、ビタミンA、ビタミンC、カロチン、ビタミンE、クエン酸
17 クコ(くこ、枸杞子、くこし、地骨皮、じこつび、ジコッピ)
地骨皮とは、ナス科クコの根皮のことを言う。 また、クコの果実のことは「枸杞子(クコシ)」、クコの葉を干したものは「枸杞葉(くこよう)」と言います。 甘い味がします。 主成分は脂肪酸、芳香族酸、ステロイド、アミノ酸、ジテルペンが主成分です。解熱作用、強壮作用、降圧作用、降血糖作用、 抗菌作用。
処方例は滋陰至宝湯(じいんしほうとう)、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
薬効・用い方:
クコ茶は、高血圧症、動脈硬化に、乾燥した葉5〜10gを煎じて服用。万能薬草としてのクコは、ビタミンB1、B2、Cのほかにルチン、ベタインが豊富に含まれています。 ルチンは血管を強化する作用があり、高血圧、頭痛、肩こりに効果がある。また、ベタインは消化を促進して肝臓に脂肪が溜まるのを抑える働きをもち、血液を酸性からアルカリ性に変える働きがあるので、特に疲労回復に効果がある。
クコ酒:強壮、疲労回復には、クコ酒がよく、赤く熟した果実200gを水洗いして、よく水をきってから、同量の砂糖を加えてホワイトリカー1.8ットルに漬け、2〜3カ月冷暗所に保存。毎日ワイングラスに1杯位飲用。また、クコの全草を使用することもできます。 乾燥したクコの実の場合は、3〜6カ月以上熟成します。乾燥くこの実200gと同量のグラニュー糖、ホワイトリカー1.8リットルを冷暗所に置き3カヶ月くらいで布でこし、材料を引き上げて再度その実を同様に使用できます。これは古くから不老長寿の妙薬として知られる。地骨皮は、血圧降下、血糖降下、解熱、たんきりに、乾燥した根皮10〜15gを煎じて、1日3回食前に服用します。 枸杞子(くこし・果実)は、肝臓に作用するとされていて肝臓に脂肪がたまるのを防いだり、ホルモンの分泌を盛んにすることから、老人のクコの常用は老人病の妙薬とされる。
愛媛大洲市のドラッグササオカ東大洲店とガストとの間の道を肱川に向かって直進しJRの線路につきあたって左の土手に生えてました。高さ160cm位で枝が垂れるようになってそこに紫色の花が咲いてました。一粒だけ実がなってました。実の長さは1.5cmでした(2006.11.08撮影)。
採集と調整 :
見分け方・特徴:クコは落葉の低木で、茎がやや蔓状に伸び、基部から群がって分岐し、枝は縦にすじがあり、小枝の変化した短い刺がところどころにある。葉は2〜3センチの長楕円形で柔らかく、節に数葉ずつ固まってつく。薬用には刺の少ないものが良い。 花は夏に、葉腋に小さくて美しい淡紫色の5弁花をつける。気候には大変強くて、暖かい地方では冬でも新芽が出ますので葉の採取ができます。果実は長さ2〜4センチ位の卵形で秋に熟し、鮮やかな赤色になります。
採集と調整:クコ葉は盛夏に採取して、日干しにしたものを用いるが、夏のクコ葉は虫に食われて完全なものが少ないので、春から秋の間に適時完全な葉を採取して日干しにする。葉だけではなく茎が混じってもかまわない。 クコ茶は、若い葉を採取して一度さっとゆでてから乾燥させる。果実と根皮は秋に採取します。果実は果柄を取り除いて、初めは日陰の風通しのよい所で乾燥させ、表面にしわがでてきたら、天日ですみやかに乾燥させます。生薬で枸杞子(くこし)と呼ばれているものです。 根皮は根を採取して、よく水洗いした後、皮をはいで乾燥させます。これを生薬で地骨皮(じこつび)といいます。
成分:ベタイン、β-シトステロール 果実の主成分:フィサリエン、カロチン、ビタミンB1,B12,C 根の主成分:シンナミン酸、プリシン酸
18 ニシキアオイ(にしきあおい、錦葵)
薬効・用い方:
薬効に関する記載情報はない。
Anoda hastata Cav. アオイ科ヤノネアオイ属 原産地 北アメリカ中南部〜南アメリカ北部。園芸植物として昭和の初めに渡来し、1965年に野生化を確認。畑や路傍に希に見られる。
愛媛大洲市のドラッグササオカ東大洲店とガストとの間の道を肱川に向かって直進しJRの線路につきあたって左の土手に生えてました。星の中に菊の文様のような種をもつ紫色の花です。草丈は60cmでした(2006.11.08撮影)。
採集と調整 :
19 カラスムギ(からすむぎ、茶挽草、ちゃひきそう、チャヒキグサ)
薬効・用い方:カラスムギはフランス人にとっては穀物として親しまれているが、古代ギリシア・ローマ時代から薬草としても知られていた。中世では、カラスムギの粒を砕きパップ剤(軟膏、膏薬)状にして、肌本来の機能を調整し、しずめる働きが利用されている。香粧品分野では保湿と皮膚軟化(エモリエント)を促すために、ドライスキン用の製品にカラスムギの成分が使われている(コトラン・スパ by クラランス社による)。
欧州、西アジア原産の1〜2年草で、わが国へは古い時代に麦(コムギ)とともに渡来したと考えられ、畑、道端などに生える。マカラスムギは本種から育成されたものでよく似るが、本種はそれよりやや小型で小穂からつきでる長い芒は途中でねじれて交叉する点で区別できる。花期は5〜7月。名は烏麦でカラスが食べるしか利用価値のない麦の意味である。別名をチャヒキグサという。
愛媛大洲市のドラッグササオカ東大洲店とガストとの間の道を肱川に向かって直進しJRの線路につきあたって左の土手に生えてました。草丈は70cm、花穂の長さは4cmでした(2006.11.08撮影)。
採集と調整 :
20 ムラサキカタバミ(むらさきかたばみ、紫片喰、別名キキョウカタバミ、桔梗片喰)
薬効・用い方:
粘膜炎症に薬効があり、うがい薬とする他、悪性熱の解熱や壊血病にも用いる。与論島では胃腸病に、喜界島では家畜の病気に用いる。
多年草、南アメリカ原産で江戸末期に観賞用として渡来した。いまでは各地の道端や畑に帰化している。地下の鱗茎には多数の鱗茎がつき、除草の際に散らばって殖える。結実しない。葉の間から花茎をのばし、高さ5〜15cmになる。先に径約1.5cmの紅紫色の弁花をつける。花の中心部は淡緑色。葯が白い。カタバミ科カタバミ属。
愛媛大洲市のドラッグササオカ東大洲店とガストとの間の道を肱川に向かって直進しJRの線路につきあたって左の土手に生えてました。葉っぱはクローバーのようにミツバで葉っぱは閉じてました。無理に開いて写真を撮りました。草丈15cmで花径は2.5cmでした(2006.11.10撮影)。
採集と調整 :
成分:
全草にシュウ酸を含む。 シュウ酸を含むので、家畜は中毒を起こす。