9月の薬草(No41-60)

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No 薬草名 薬効用い方 採取時期と調整法・成分
41 アメジストセージ(あめじすと)
薬効・用い方:
食べすぎ飲みすぎなどには、乾燥セージ葉を2〜3枚入れて、熱い紅茶を入れて、セージティーに 軽く煮出して、うがい薬としても用いられる、葉数枚に熱湯を入れて、毎日飲用すると、生理不順に月経の血の流れを促進して、強壮、通経効果があり、更年期の身体のほてり、ホルモン変化に適応される効果があるという。
フランスでは、疲労回復、強壮、健胃には、乾燥セージ葉数十枚に、煮立てた赤ワインを入れて、15分程度したら、上澄みのかすを除いて、毎日食前に小さなグラス1杯飲むという。
採取時期と調整法・成分
見分け方・特徴:
高さ60〜100センチ、寒地では葉が数枚残る。 茎は四角形、2年目から木質化する。 葉は、対生、広楕円形、先端は尖り、葉質は厚い、表面に網目状のしわが目立つ。花は、9〜10月ころに、花穂の出し淡紫色の唇形花をつける

採集と調整 初夏〜夏に葉を採取して、陰干しにして乾燥させる 乾燥した葉は、生薬名で、セージ葉(よう)、グレー色に変色する

主成分は、ツジョン(揮発油)約50%、ジテルペン、フラボノイド、フェノール酸、タンニン
42 ナタマメ(なたまめ、鉈豆)
薬効・用い方:
刀豆(とうず)は、せき、病後の体力の回復などに、1回量5〜10g、水0.3リットルを、1/3まで煎じて、服用する。
採取時期と調整法・成分
熱帯アジア,熱帯アフリカ原産で,日本には江戸時代初期に伝来し,栽培されています。花は長い柄を持つ 3 出複葉です。夏に淡紅紫色〜白色の花をつけ,幅 5 センチ,長さ 30 センチ近くにもなる大きな実をつけます。ナタマメ,タテハキともに,この実の形から来ています。若い実は食用になる。スライスされたものが「福神漬け」に入っている。

採集と調整:ナタマメの種子を、8〜10月ころに採取して、刻んで日干しにして乾燥させます。 これを生薬で、刀豆(とうず)という。

成分:タンパク質のグロブリン系、カナバリン、コンカナバリンA,Bなど
43 ホップ(ほっぷ、セイヨウカラハナソウ)
薬効・用い方:
健胃効果、静菌作用、催眠作用、食欲増進作用、消化促進作用、利尿作用などがある。

料理:ホップの成熟した雌花を乾かしビールの風味付け、保存性を高めるなど醸造の際に利用する 雄花は湯がいてサラダに ホップの若い葉は、瞬間的に煮て苦味を取り除きスープへ 若い枝は蒸してアスパラガスのようにして食すことも ハーブティーとして飲用すれば鎮静効果があり、また消化促進、防腐作用も またホップの花はどのハーブティーと合わせても消化促進、食欲増進に有効。
美容・コスメ: ホップの花は湯船に浮かべる ホップの花にアルコールを振りかけてた枕は睡眠誘発に
採取時期と調整法・成分
ホップ(セイヨウカラハナソウ)とは、ビールの苦味料として知られる雌雄異株の多年草のハーブ。古代ローマ時代より野菜として食されたり園芸で使われたりと人気があったハーブ。

成分:雌株につく黄緑色の丸い穂の部分に、フムロンやルプロンといった成分が含まれる。
44
ミズヒキ(みずひき、水引、金線草(きんせんそう)
薬効・用い方:
止血、腰痛、胃痛に、乾燥した全草を、1日量5〜10g、水0.6リットルを1/3量まで煎じて、温めて、3回に分けて服用するという。中国では金線草(きんせんそう)の生薬で呼ばれ、古くから、止血、鼻血、内出血などを止めて、腰痛、胃痛の痛みを緩和する妙薬として用いられていた。
採取時期と調整法・成分:
花が咲いている時期の8〜10月頃に全草を採取して、水洗いしてから、刻んで、天日で乾燥する。

名前の由来は水引(みずひき)からで、水引は、進物用の包み紙を結ぶ紙糸で、「こより」に水糊をつけて固めたもので、紅白に染めたものが使用される。花のミズヒキは、花の上部は紅色で、花を下から見ると白いことから、紅白の水引に似ているミズヒキの名になった。
45
ラッキョウ(らっきょう、薤、がい、薤白、がいはく)
薬効・用い方:
腹痛に5〜10gを、水0.3リットルで、1/3量まで煎じて服用します。
ラッキョウ酒:薤(がい)約80g(生約300g)と、ホワイトリカー1.8リットルを、約3カ月漬け込んだ薬酒は、冷え性、不眠症、低血圧などに、就寝前に杯1杯飲む。
水虫、たむしなど:生の鱗茎をすりつぶした汁を塗布する。食欲増進には生のラッキョウを味噌をつけてそのまま食べます。
見分け方・特徴:
ラッキョウの、鱗茎は、長卵形で、外側の鱗葉は半透明の膜質です。 葉は鱗茎から叢生し、線形で質は柔らかく、中空で冬でも枯れない。 花は10月ころに、花茎を出して、紫色の小花を散形花序につけます。 夏から秋に、鱗茎を植えつけると、翌年春に葉が出て、新しい鱗茎が増える。 この鱗茎がラッキョウです。

採取時期と調整法・成分:
6〜7月の葉の衰えるころに、鱗茎ごと掘り取ります。 鱗茎を水洗いして泥を取り、湯通しして陰干しにして乾燥させる。 これを生薬で薤(がい)、薤白(がいはく)という。


成分:
薤(がい)は、硫黄化合物アリシン、ジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジルチルスルフィド、精油などが含有
46 ハッカ(薄荷、はっか、薄荷葉、はっかよう)
薬効・用い方:
薄荷葉(はっかよう)は、中枢抑制、血管拡張などの効果があり、芳香性健胃、かぜの熱、頭痛、めまい、消化不良、歯痛などに、粉末大さじ1杯くらいを、熱湯を注いで、食前か食後に服用。また、おなかが張り、気分の悪い場合などにも粉末を同様に用いる。漢方では、とくに頭痛、目の充血、のどの腫脹による疼痛などの症状に適していて解熱、発汗、健胃の目的で荊芥(けいがい)、防風(ぼうふう)、桔梗(ききょう)、甘草(かんぞう)などを配合する。 夏の熱射病による頭のふらつきや発熱、口乾、尿の減少などの症状には石膏、甘草を配合して用いる。虫さされなどには、生葉をもんで患部に塗布すると、かゆみ止めになる。ハッカの全草を、陰干しして、浴湯料として疲労回復、腰痛、神経痛などに用いる。 ハッカ酒:7〜8月ころに採取した葉を、水洗いして日陰で乾燥させてから、ハッカ葉300gに砂糖100g、ホワイトリカー約1リットルで、約1カ月冷暗所において、葉を取り布で濾す。 淡黄色でさわやかな香りがする薄荷酒ができる。 これは、健胃整腸、沈静などに効果がある。薄荷葉から蒸気蒸留で精油分をとり、それを冷却して析出する結晶がメントールで製薬に用いる。残りのハッカ油は、製薬、製菓用に用いる。
見分け方・特徴:
湿った場所に自生する宿根草で、全草に強い芳香がある。 根は長い地下茎で四方に伸びて繁殖。 茎は40〜80cmになり、四角で細毛がある。 葉は、対生で、短柄に楕円形で先端は尖り、葉縁にまばらに鋸歯があり、長さ3〜8cm、小さな油斑がある。 花は8〜9月ころ、葉のわきに輪状に多数の淡い紅紫色の小花をつける。花冠は、唇形で紅紫色、雄ずい4、雌ずい1がある。

採取時期と調整法・成分:
開花期に地上部を採取して、風とおしの良い場所で陰干しにして乾燥させます。 茎葉を乾燥したものを、薄荷といい、葉だけを集めて乾燥させたものを生薬で、薄荷葉として扱われる。


成分:ハッカ葉にはメントール、ビネン、カンフェン、リモネンなどの精油が含まれています。
47 モッコク(もっこく、木斛)
薬効・用い方:
痔:乾燥葉1回量5〜10gを水100ccで1/3に煎じて服用。

食あたり:乾燥した樹皮は1回量3〜6gを水400ccで1/2に煎じて服用する。
染料:樹皮を煮出し、硫酸第一鉄を媒染剤に天然繊維、特に絹、羊毛などがよく染まる。
名前の由来:
芳香のあるキク科の多年草でインド原産のモッコウ (木香)とまちがって、モッコウをモツコクと呼んでしまったのではないかという説がある。中国名は厚皮香と書き、わが国では木斛と書く。樹形がよいので、古くから庭木に植えるが、縁起を かつぐ人は、これにセンリヨウ、マンリヨウを加え、さらにアリ ドオシを添えて庭作りをする。千両、万両のお金が木のマスでかき 集められお金が何時もあるという恵比須顔のおめでたい樹 木である。

採取時期と調整法・成分:

樹皮は夏期、土用のころに採取するのがよい。葉は必要時に採取し、樹皮も葉も日干しにする。

成分:
樹皮にはタンニンを含み、材部にはサポニンの一種、種子には脂肪油、ヒドロオキシエリスロジオールを含むことが知られている。
48 キンミズヒキ(みずひき、龍牙草、りゅうげそう、、仙鶴草、せんかくそう)
薬効・用い方:
全草のエキスは血小板増加による血液凝固促進と止血作用があるので、強壮収斂止血剤とされていて、喀血、血便、子宮出血などの止血に用いる。 また、抗菌、消炎、鎮痛作用もあり、健胃、下痢止めにも応用される。乾燥した全草を1日量10〜15gに、0.5リットルの水を加えて、煎じながら約1/3の量まで煮詰めたものをこして、3回に分けて食間に温めて服用。歯ぐきの出血や口内炎、のどの荒れたときなどには、乾燥した全草5グラムに、0.2リットルの水を加えて煎じ、約半量まで煮詰めたもので、1日数回うがいをする。浴湯剤として、疲労回復、筋肉の疲れをとるときなどに風呂に用いられることもある。皮膚炎、うるしかぶれ、にきび、などに全草を煎じた液を湿布するか塗布する。また、ガン細胞と正常細胞の培養液に、キンミズヒキのエキスを注入すると、がん細胞だけが死滅して正常の細胞には異常がないことが確認されている。春先の若芽や若葉を摘み、熱湯で茹でて水にさらしてから、おひたしや和え物にしたり、汁の実にしたりして調理する。
見分け方・特徴:
草丈1メートル程に伸びて、全株に長毛が密生する。葉は互生し、羽状の複葉で表面に腺点がある。大小ふぞろいの小葉からなるが、根元につくものは大きくなる。長い葉柄には葉状で縁がぎざぎざの托葉(たくよう)があります。 花は、夏から秋にかけ、長くのびた茎の上部に黄色5弁の小さなものを穂状につけます。 果実は宿存がくの内側にでき、そのがくの縁には鋭くて内側に曲がった刺毛が多数でき、この刺毛が衣類等に附着して散布に役立っています。

採取時期と調整法・成分

夏から初秋の開花期に全草を掘り採り、水でよく洗って天日で乾燥する。 生薬名は龍牙草(りゅうげそう)又は、仙鶴草(せんかくそう)という。

成分:タンニン、クマリン、ルテオリンなどのフラボノイド、揮発油、多糖体など
49 シオン(しおん、紫苑)
薬効・用い方:
せき止め、去痰、利尿に用いる。慢性のせき、特に痰が多くて、つまり、喀出してもすっきりしない場合や、痰に血が混じるような慢性気管支炎、肺結核などやかぜで長く、咳が止まらない場合に用いる。紫苑の、含有成分サポニンが気道粘膜の分泌促進をして、痰が出やすくなる。漢方での方剤には止嗽散(紫苑、百部(ひゃくぶ)、桔梗、荊芥(けいがい)を配合したもの)を用いる。 紫苑は乾咳や口乾などの症状がある場合には用いない。また、薬理実験では紫苑に含有される成分が、エールリッヒ腹水がんに対する抗がん作用があることが証明されている。
見分け方・特徴:
庭や空き地などに植えられる多年草草本で、根茎は短く肥厚し、主根があって多くの支根と細根があります。 春先に数本の茎が直立して伸び、高さが2メートルにもなる。葉は大型で皮針形、柄がなく互生し、縁には大きなぎざぎざがあり、全草には粗い毛があってざらざらした感じがする。 花は夏から秋にかけて茎の先端部が数枚に分かれ、散房状に淡紫色で直径2〜3cmくらいの頭状花を多数つける。頭状花の周りには舌状花がつき、中央には黄色の管状花がある。

採取時期と調整法・成分:

秋の10〜11月に掘り取り、根と根茎を良く水洗いしてから天日で乾燥する。 これを生薬で、紫苑という。 紫苑は特異なにおいがし、なめると少し甘い味がして、だんだん苦味が出る。

成分:astersaponin, shionone, quercetin 等。
50 ルコウソウ
薬効・用い方:
耳疔、痔ろう・解熱には、乾燥した地上部と根を1日量10〜15gに水0.4リットルを、半量まで煎じて、1日3回に分けて服用する。
見分け方・特徴:
本州中部以西の比較的暖地には、普通に野生化している1年草 つるを伸ばして、他のものに絡み付いて伸びる。 葉は羽状に深く裂け、糸状に見える 夏から秋に、葉腋から柄を出して、先端にロート状の濃朱紅色の花を数個つける。花の中心部は黄色、顎は5枚、雄しべは5本、雌しべ1本は花冠より突き出る。

採取時期と調整法・成分

夏に全草、根を採取して、水洗いして刻み、天日で乾燥する。

成分:プルギニン酸を含有
51 オトコエシ(おとこえし、敗醤、はいしょう)
薬効・用い方:
はれものの解毒:1日量5〜10gを水600ccで1/2に煎じて服用。


名前の由来:女性的なオミナエシに対し、全草に毛が多く生え、 茎も太くて壮大な感じがするというので男性をあらわす意味でこの名となる。白い粟粒様の小花を飯に見立てたのがオトコメシとなり、シロアワバナも小花を泡にたとえ、シロオミナエシは花が白いところからきた別名。オミナエシもオトコエシも開花期の根茎を乾燥すると、しょうゆの腐ったにおいがするので敗醤、白花敗醤の漢名となった。いまの市販しょうゆは腐らない。
生薬敗醤:全草または根茎を乾燥したものを生薬の敗醤とするが、オトコエシ、オミナエシともに敗醤の生薬として使う。

採取時期と調整法:秋に根茎を含めた全草を、水洗い後日干しに。

成分:苦味質ピロシッドが根茎の成分として知られ、さらにオレアノール酸の報告もある。この根茎の乾燥したものには特異な臭気があって、ネコの誘因物質が含まれているという東北大学理学部生物学教室の元村勲教授の発表が植物研究雑誌(1963)にある。 リンドウ科植物にも含まれる苦味配糖体のロガニンがオトコエシ の根茎からも検出されているので、おそらく誘因物質に関係があるものとみられる。
52 キンモクセイ
薬効・用い方:
歯痛には、花を乾燥したもの3〜5gを熱湯を入れて服用するか、うがい薬に用いる。
採取時期と調整法・成分
秋に花を採取して、陰干しにして乾燥させる。

成分:芳香成分オスマン、パラハイドロオキシフェニール・アルコール、パルミチン酸、オレアノール酸など。
53 クチナシ(くちなし、山梔子、サンシシ、梔子、シシ)
薬効・用い方:
山梔子(サンシシ)を煎じた液の薬理実験では、胆汁分泌の促進、鎮静、血圧降下作用などが認められている。 また、古くから消炎、利胆、止血薬として黄疸、肝炎、血便、血尿、不安、不眠、吐血に用いられていました。吐血の場合は、熱いうちに服用すると逆に吐血する場合があるので、必ず冷ましてから服用。山梔子を、1回2〜3グラムを0.2リットルの水を加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、食前に飲む。山梔子は胃の弱い人が多量に用いると胃の働きを弱めるので、用量には注意。 きのこ中毒には5〜15gを煎服したり、また、のどがはれて痛むときには煎液で、うがいをすると効き目があるとされる。

塗布:山梔子5〜6個を粉末にして少量のうどん粉、卵白、おろし生姜とよく練り合わせたり、黄柏末と酢でよく練り合わせたものを和紙にのばして、打ち身やくじいた患部に貼り、乾いたら取り替える。消炎効果があり痛みが和らぐ。クチナシの白色の花弁は芳香がありわずかに甘味があって、生のままでも、煮ても食用にすることができる。咲いたばかりの新鮮な花を煮ると粘りが出て、酢と醤油で味付けして食べる。これは、花弁に精油ラクトン型のオキシ酸を含み、甘みはマンニットからによる クチナシの果実の色はカロチノイド系色素のクロシンによるものです。
採取時期と調整法・成分
完熟した果実を、11月ころに霜が下りた後で採取し、数珠つなぎにして風通しのよいところで陰干しする。 クチナシの果実の乾燥したものを、生薬で山梔子(サンシシ)または梔子(シシ)といいます。 また、未熟の果実は色素含量が少なく、薬用には適しません。

成分:イリノイド配糖体・ゲニポサイド、カロチノイド色素・クロチンほか

古く飛鳥、天平時代から黄色染料として布地の染色に、また無害の黄色着色料として、たくあん漬けなどの黄色の食品にも利用されていて、日本の生活に深く結びついた植物です。

栽培:栽培は容易にできて、繁殖も梅雨時期に若い枝をさし木にすれば簡単に増やすことができる。
54 ネコノヒゲ(ねこのひげ、クミスクチン)
薬効・用い方:
高血圧、糖尿病、腎結石、胆石、動脈硬化、腎炎、利尿、リュウマチ等を目的に、乾燥させて、茶のように飲用する。
採取時期と調整法・成分
特 徴 2唇形の花弁の間から伸びる長い雄しべと雌しべがこの花の大きな特徴で、これが猫の髭に似ているのが和名の由来です。花色は白で、ごく薄い青色を帯びます。花が面白いので、最近はガーデニング素材に好まれます。鉢植えもよいが、夏花壇に向く。

成分:benzochromene類:methylripariochromene A、orthochromene A、pimaranediterpen類:orthosipol A,B、orthosiphonone A,B
55 ヘビイチゴ



薬効・用い方:
全草: 解熱、通経、痔に煎服。
煎じて服用すると、せきやのどの痛み、解熱に効能があるとされる。また、煎じた液を外用して洗うように用いるとおできや痔にも効果があるという。のどの痛みには煎液でうがいをしても良いという。 
ヘビイチゴは食べられないものと考えている人も多いようですが、食べられないわけではなく、食べても味がなく食用に適さないのです。そのため、蛇が食べたらよいだろう(蛇が食べる)と考えた名前なのです。イチゴの仲間ですから、茎が細い枝を出して地表をはってふえます。ヤブベビイチゴに比べると葉は緑が薄く黄緑色で、花もやや小さ目です。


56 フジ
薬効・用い方:
フジの種子は、下剤に1日量、種子1〜3グラムを水0.3リットルで半量に煎じつめたものを空腹時に服用。 また、制がん(胃がん)剤として用いるのは藤瘤を粉末にしたものを、1日量10gを2〜3回に分けて水で服用。 または、藤瘤(10g)、ひしの実(10g)、訶子(5gム)(かし・インドやビルマに産する、シクンシ科ミロバランの果実)、ヨク以仁(10g)の4種を混ぜ、水0.6リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、1日3回食間に服用。 さらに、訶子を用いると嘔吐する場合には、タラ根皮または山豆根(さんずこん)を使用する場合もある。 これは、がんの「WTTC」療法と呼ばれるもの。
採取時期と調整法・成分
藤瘤は必要時に採取して、水洗いして日干しにする。藤こぶは老木に多くあり、ほとんど地上部にありますが、地下に埋もれている場合もある。フジの種子は7〜8月にさやごと採って天日で乾燥させ、中の種子を集めます。
57 ホトトギス
薬効・用い方:
薬効の記載はない。
ユリ科 多年草 原産地 日本 (本州〜四国、九州の山林や渓谷に自生) 古くから栽培され、愛好家も多い山野草です。 花色もいくつかあり、茎の伸び方や花の向きも種類によって様々です。 ジョウロウホトトギス、キバナホトトギス、ヤマジノホトトギスなどの在来種以外に 台湾ホトトギス、またそれとの交配種など品種も多い。
できれば蘭鉢などの腰高の鉢を使い栽培する。
水ゴケの単用か、土の場合は赤玉土・砂の等分量か、花崗岩礫5・赤玉土3・パミス2  (水はけの良い用土が適しますが、水切れは厳禁です。)
真夏を除き春〜秋は戸外の日当たりに。ただ品種・場所によりほぼ周年寒冷紗で。
株分けや葉挿しで更新できます。株分けは2〜3月に。
ホトトギス類の中も、特に乾燥を嫌いますので水遣りには気をつけてください
流通時期は主に秋となります
採取時期と調整法・成分
58 アケビ(あけび、木通子、もくつうし)
薬効・用い方:
木通子(もくつうし)は腎臓炎、尿道炎、膀胱炎などのむくみに利尿剤としての効き目があるという。 1日量木通3〜6gに水0.5リットルを加えて、弱火で煎じながら約半量まで煮詰めて布でこしたものを、3回に分けて食前か食間に服用。この煎汁はできものの洗浄に外用薬として利用することもできます。

名前の由来は果実が熟すと実がさけるので、「開け実(アケミ)」から転訛して、アケビの名になったという説や朝廷に献上したという果実が割れない「むべ」という、アケビに似た果実と比較して、「あけむべ」から転訛して、アケビの名になったという説がある。また、漢名の「木通」とは、つるを切って吹いたり吸ったりすると、空気が通るからついた名だという。
見分け方・特徴:
他の植物に左巻きに巻き付いて成長する。葉は楕円形の小葉5枚が掌状についた複葉です。 小葉の形は細長い長楕円形です。日本にはほかにミツバアケビとゴヨウアケビがあり、ミツバアケビは、3出複葉で3小葉の葉縁がやや波型です。ゴヨウアケビは5枚の小葉からなる掌状複葉で、小葉はミツバアケビ゙のようにふちが波型です。 いずれも薬用としての効き目に変わりはない。葉に新葉とともに短枝上に暗紫色の花を房状につける。花のがくは3片からなっていて、花弁はない。秋には5〜6cmの楕円形の果実をつけ、成熟すると縦裂して半透明の果実と黒い小粒の種子が現れる(アケビの果実)。

採取時期と調整法・成分

アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビの肥って木質化したつる性の茎を晩秋に採取し、10センチ程度の長さに切り天日に干して乾燥し、うすく輪切りにします。 これを生薬名で木通という。 また、実を乾燥したものを木通子といいます。
59 チャ 茶/茶葉(ちゃよう)/細茶(サイチャ)
細茶(サイチャ)はツバキ科の常緑小低木、チャの葉を乾燥したものを用いたものです。漢方では清頭目・利尿・止瀉などの効能があり、頭痛・多眠・下痢などに用いられる。民間では煎液を火傷やオムツかぶれの湿布薬として、また口内炎や咽喉炎・感冒予防などの含嗽薬としても利用されています。ただし不眠症の人の服用には注意が必要である。

薬効・用い方:
カフェインは発汗、興奮、利尿などの効果があり、チャタンニンは下痢に効き目がある。茶のうまみはアミノ酸によるものです。 かぜ、頭痛には緑茶15g、陳皮(ちんぴ・みかんの皮)20g、山椒3〜5個を水0.4リットルで1/2量に煎じて熱いうちに服用。下痢には緑茶の粉末、乾燥した生姜の粉末を同量3〜6gを白湯(さゆ)で服用。
採取時期と調整法・成分
温暖で土壌は有機質で排水が良い場所が適す。種子による増殖は純系が維持できないので、枝を曲げて土をかぶせて発根させる厚条式による取り木増殖が一般的です。 収穫は4年目から可能です。日本では年3回摘葉します。1番茶は4月下旬から5月上旬、2番茶は6月下旬から7月上旬、3番茶は8月中・下旬に摘み取る。 インドなどの熱い地方では年30回の茶つみも可能になる。摘葉は若葉が5枚ほど伸びたときに晴天の時を選んで先の3枚を摘み取ります。良質の茶葉の場合は2枚、1枚と少なく摘み取る。

成分:キサンチン類としてカフェイン(1〜5%)、テオブロミン、タンニン、フラボノイド、脂質、ビタミンC
60 ハマナス
薬効・用い方:
下痢止め、月経過多:よく乾燥した花弁を1回量2〜5gとして、茶わんに入れて熱湯を注ぎ、さめないうちに服用。 または新鮮な花10gを、0.2リットルの水で煎じて1日3回に分けて服用。
見分け方・特徴:
ハマナスの太い枝には多くの針状の棘が密生し、葉は奇数羽状複葉で、小葉を7〜9枚つける。葉はやや長い楕円形で、上面には光沢があり無毛で、葉の下面には密毛がある。夏の季節に前年にできた枝先に濃桃色の花を1〜3個つける。花弁は広卵形または心臓形で少し厚みがあり、強い芳香がある。花後に、やや球状の偽果をつける。これは熟すと黄赤色になり甘く食べることができる。ハマナスの果実(偽果)は地方によってはお盆の時期に仏前に添える大切な果実になっている。

採取時期と調整法・成分

採集と調整 つぼみか、満開一歩手前の花を採取して、陰干しにする。果実は色づき始めたものを採取して乾燥させる。